キッチンシンク横、
中央の引き出しが、
我が家の食器棚。
食事のたびに使う、
使用頻度の高い器やカップたち。
高価なものはないけれど、
使いやすいくて、
大切に使い続けているものばかり。
破損しても同じものをまた購入するくらい、
お気に入りの器たち。
きっちり詰まっていて、
余白がない。
もう少しすっきりさせたいけれど、
どれも使用目的が決まっていて、
減らせるものがない、、。
半分以上のスペースを占めるのが、
マグカップとグラス。
増やさないようにしているのに、
最近マグカップが1個増え、
コップ一個分あった余白もなくなった。
1個増えたマグカップがこちら。
長男の一人旅の記念品。
有名カフェのマグカップ、らしい。
我が家に、
マグカップ、グラスが多い理由。
家族の人数分揃えたマグカップ、グラスに加え、
息子たち個人使用のものがあるから。
次男は小学生のころ、
自分で色づけしたマグカップを愛用。
長男のいただきもののグラスもある。
息子たちは、
旅の思い出と、
自分が選んだものであることから、
より愛着がわき、
自分用マグカップを心底気に入っていて、
愛おしそうに使っている。
だから、
ただすっきりさせたいから、と、
息子たちのものを処分はできないし、
私もお気に入りのマグカップを、
敢えて処分したくない。
唯一減らす機会は、
家族分揃えているエピスのマグカップが、
破損したときかな、
と考えている。
4個あるうちの2個減るまで、
買い足さないつもり。
長男は夏休み、
一人旅フランスへ。
興味の先を見極めるためでもある旅。
夏休み前半は、
旅費捻出のため、
アルバイトを掛け持ち。
旅費を少しでも安く抑えるため、
入念にプランを練っていた。
海外旅行は初めてではないとはいえ、
これまではただ連れていかれるだけの、
受け身の旅経験。
一から自分で計画をたて、
実行していくことの大変さ、
一人で見知らぬ土地に降り立つ緊張感、
普段出会えない類のライフスタイルの日本人たちや、
現地の人たちとの出会いと交流。
はかり知れないほどの経験を、
一人でやり遂げたことは、
大きな自信になる。
元気に帰国した長男を、
私は誇らしい気持ちで、
マグカップと一緒に迎えた。
そして先日、
高3生の次男の高校生活最後の文化祭があり、
夫と長男の3人で参観。
私たちにとっても参加できる最後の学校行事。
今年は入場制限もなく、
昨年とは異なる賑わいで、
初めて体験する通常の文化祭。
展示物や発表会、飲食店、
積極的に参加はしなくても、
賑やかな校内を歩き回るだけで、
日常では味わえない刺激。
次男は、
自分たちの出番の合間を縫って、
展示物見学や、
飲食店巡りもできたようで、
どこの何がよかった、
などと興奮気味に、
詳しく報告してくれた。
それを聞くことで、
実際に足を運んで体験した以上の
文化祭での疑似体験となり、
私も充実感で満たされる。
そんな息子たちのきらきらした体験を、
もう少し若いころならば、
きっと、
私も一緒に行きたかったな、
してみたかったな、
と思いながら、
聞いていた。
高校生や大学生たち若者の、
躍動感をうらやみ、
いいな、いいな、自分だけずるいな、
なんて僻みっぽくもある感情。
でもいまは、
息子たちが生き生きと話す姿を見て、
楽しかった~、という言葉を聞ける、
ただそれだけで幸せ。
自分がその場で楽しむよりも、
感じる幸福感。
あらゆる息子たちの経験は、
私の疑似体験となり、
感情を動かす。
それが、
楽しい、貴重な体験であればあるほど、
私の悦び、生活の張りとなる。
息子たちが充実した毎日が送れるよう、
私も頑張ろう、そう思える。
あんなにも賑やかで、
バタバタと忙しく過ごして、
いつ終わりがくるんだろうとずっと思っていたのに、
気が付くとね、
ぽつんと夫婦2人になってるのよ。
職場の大先輩の話。
引き出しいっぱいに詰まった器とマグカップたち。
全然すっきりしない、なんて、
ちょっと不満に思ってる。
でも、
この引き出しの中、
少なくなっちゃって、寂しいな、、
なんて、
ぎっしり詰まっていたた光景を、
懐かしく感じる日が、
いつかくるのかもしれない。
最後までお読みいただきありがとうございます。