年季の入った大きなスーツケース。
大きさのわりに、
本体はとても軽く、
南国時代に大活躍したもの。
他にもあったスーツケースたちは、
重すぎたり、
使い勝手が悪かったり、
使えなくなったり、
全部処分してしまった。
2度の修理に出したけれど、
このスーツケースだけは、
まだまだ現役。
夏休みの終わりに、
長男が旅行に行くため、
久しぶりに眠っていた物置から、
取り出してきた。
旅行で使うのは、
本帰国以来。
広げると、
中にはマクラメ糸がぎっしり。
この大きなスーツケースは、
大容量なので、
ただ置いておくのでは、
スペースがもったいない。
南国時代は、
一時帰国時に使用する長袖の衣類を、
収納していた。
このスーツケースは必ず使うものだったから、
準備のときにも慌てずにすむ。
普段必要ないのに、
持っていないといけない、
かさばる冬物の収納に、
とても重宝していた。
帰国後は、
全く出番のなくなったスーツケース。
1番大きなサイズと、
1番小さなサイズのみを残した。
小さなサイズは、
夫の出張に、
息子たちの旅行にと、
それなりに出番はある。
普段は、
災害時グッズを詰めて、
長男の部屋の押し入れに、
収納。
だけど、
大きなスーツケースは、
海外に長期で出かけない限り、
出番はない。
かさばるスーツケースを、
空のまま、
ただ置いておくのも、
もったいない。
かといって、
中に何か収納してしまうと、
中に入れたものを忘れてしまいそう。
南国時代のように、
かさばる冬物を収納したいけれど、
今年のような、
急な季節の変化には、
不便な収納。
引き出しから出し入れするように、
スムーズにはいかない。
頻繁に出し入れしないけれど、
存在を忘れることなく、
必要なとき、
出し入れしやすいもの。
それが、
趣味のマクラメ編み材料だった。
あれもこれも作りたい、
そんな気持ちが先走り、
買いためたマクラメ糸。
入手先が限られていて、
時間に余裕がないとら
買いに行けない場所だった。
現地にいるときから、
買いだめ。
そんな糸がスーツケースいっぱいにある。
帰国後も、
日本では手に入らないから、と、
惜しむように使ってきた。
でも、
この半年、
マクラメ編みをしていない。
前回仕上げたバッグ。
ある程度形がみえてくると、
これほど楽しい作業はない。
手元にそれほど集中しなくても、
映画とか動画視聴しながらできる作業。
同じ作業の繰り返しで、
ぼーっとしたいときに、
無心になれる、
最適な作業。
単純作業こそ好む私には、
うってつけの趣味。
ただ、
この作業過程にもっていくまでの準備段階が、
とても煩わしい。
長さを揃え、
100本前後の糸にカットして、
一本一本、端の始末をする。
編み始めは、
目の数が合わなかったり、
ある程度編み進めてから、
糸の数間違えだったことに気づき、
ほどいてやり直し。
そんなことを繰り返してからしか、
楽しい過程にはたどりつかない。
よほどの時間とやる気がないと、
最初の過程をこなせない。
考えただけで、
げんなりしてしまう。
久しぶりにスーツケースを開けたとき、
いっぱいの糸を見て、
まだこんなにもあったのか、、
そう思ってしまった。
以前は、
糸を並べて眺めては、
この色であんな形のバッグ、
今使ってる色違いのバッグ、
次々とつくりたいものが浮かんできて、
わくわくした。
時間がいくらあっても足りないな、と。
マクラメ編みに対する、
この気持ちの変化。
今後続けるかどうか、
迷っていた私に、
よくやくできた決断。
マクラメ編み、
もうやめよう。
糸は、
需要があるときいていたので、
試しにフリマサイトにて出品。
その日のうちに購入していただけた。
これだけの量、
時間はかかるけれど、
少しずつ、
処分していこう。
大型スーツケース1個分の荷物は、
まだ手元にあるけれど、
趣味を一つ断捨離するという決断は、
私の心を少し、
軽くしてくれた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
