病室からかすかに見えた富士山のシルエット。
片側だけ見える稜線。
まるでいまの私みたい。
1年後、数年後、
春が来るたびに、
どんな気持ちでこの春を、
2023年の4月を思い出すのかな。
私は50歳になった。
はるか彼方にあった50代。
こんな形で、こんな場所で迎えるとは、
想像もしていなかった。
この時が来なければいいと思った。
近づくにつれて、
早く終わればいいと思った。
元気なのに、
どこも不調を感じないのに、
それなのに、
手術して、
入院しなければならない。
見つかってよかったね。
かけられた言葉に、
そうか、
私はラッキーなんだ、、。
仕事と、
身体の一部、
失ったものは大きかった。
でもそのことで、
気づかされたこともある。
現状維持がモットーで、
変化を嫌う私。
これまで目まぐるしく、
生活環境は変わってきたけれど、
自ら変えてきたのではない。
ただ流れに身をまかせてきただけ。
自分からは何一つ変える勇気のない私。
自分の身体が、
気づきと変化のきっかけをくれた。
また、ここから始まる。
私は、
新しく始めることができるんだ。
最後までお読みいただきありがとうございます。