フラワーアレンジのかごと2021年の手帳。
長男が大学に入学した2021年。
3歳差兄弟の我が家は、
長男、次男共に希望先へ進学できた華々しい年。
長男は大学入学なので、
ひと段落。
本人も希望に満ちて、
いろんなことを始めようとしていた。
高校卒業と同時にアルバイトを始め、
母の日にプレゼントしてくれた、
フラワーアレンジメント。
先行投資だから(と、照れ隠しで言っていると私は思っている)と、
渡してくれた。
これまで特に何もなかった母の日に、
思いがけないプレゼント。
嬉しさでいっぱいだった。
希望の学校に通う息子たちと、
20年振りに社会に出た私。
新しい暮らしをスタートさせ、
新鮮さと希望で満ち溢れていた。
でも、そんな日は長くは続かず、
その後の苦しい1年余り。
特にその直後の1ヶ月余りは、
思い出しただけでも胸が締め付けられる。
咲き終わった花のかご、
プレゼントだと思うと捨てられなかった。
でも、同時に長男の苦しい状況を、
思い出させるものでもあった。
嬉しさと苦しさ、両方を思い出させるもの。
捨てられない、
かと言ってこれという活用法もなく、
なんとなくキッチンの窓際に置き、
ハンドクリームやイヤホンの一時置き場にしていた。
その後の1年余り、
長男の状況はよくなったり、
落ち着きを取り戻したかな、
と安心していると、
また逆戻りしたり。
そんなことの繰り返しだった。
行ったり、来たり、
平坦ではなかったけれど、
それでも長男は前に進めるようになった。
穏やかさが戻ってくると、
プレゼントから1年半過ぎる頃、
このかごが視界に入ると、
一番苦しかった頃だけが、
思い出されるように変わってきた。
持ち続けていると、
苦しい気持ちの方がまさってしまう。
いま、長男は元気で、
将来のことを考えて、
自分のために頑張っている。
危なっかしかった1年余りを経て、
後戻りすることはきっとない、
と思えるようになった。
だから、
もうサヨナラしよう、そう決めた。
私は、
長男からのプレゼントを、
役目を終えたものも捨てずに持ち続けていることで、
あなたのことを大切に思っているよ、
と、長男に伝えたかったのかもしれない。
同時に、
捨てたいのがスケジュール帳。
1年前の予定は、
参考程度になんとなく見返すことが多いかな、
と、年が変わってもしばらくは残しているスケジュール帳。
書き込まれたスケジュールの端々に、
当時を思い起こさせる書き込み。
見返すと、
懐かしさよりも、
辛い気持ちの方がまさってしまう。
こちらも同時にしサヨナラしようと思う。
我が家のものの量。
断捨離が進み、
収納スペースからものがあふれることはない。
家族が使ったものも、
使い終えると定位置に戻す習慣が定着し、
またすぐに元通り。
ものの量は適量に近づいていると思う。
そんな現在、
やりたいのは、
日常使いのものの整理や断捨離ではなく、
思いがつまったものの断捨離と気持ちの整理。
思い出の品は、
楽しいことを思い起こさせるものばかりではない。
いま自分自身の状態が少し不安定で、
この先どうなるのか、という不安がよぎる。
先のことをあれこれ考えてもどうなることではない、と、
不安を払いのけたい気持ちと、
将来の不安に立ち向かうには、
現在の私がしっかりとしていないといけない、
という強い気持ちがわいてくる。
そのためにも、
過去の苦しく辛い思いを引きずっていてはいけない。
過去に縛られたくない。
そんな思いから、
思い出の品を少しずつ、
気持ちの整理をしながら処分を続けている。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。